ライナーノート 


曲について

1. Song Of The Owl (Hiroe Sekine)

静かな夜に家のまわりで聞こえるフクロウの鳴き声には、独特なリズムがあり、なんとも平和な気持ちにさせてくれます。そんなことからフクロウを題材に5拍子の曲にしてみました。メロディーを奏でるソプラノサックスとハーモニーを織り成すアコースティックギターは耳に優しい響きがあります。間奏の部分はボーカル・コーラスをバックに、ボブ・シェパードによるソプラノサックスのソロがフィーチャーされており、まるでフクロウが自由自在で優雅に空を舞うようです。

2. After The Rainfall (Hiroe Sekine)

このアルバムタイトル曲はメランコリーな曲調で、ピーターアースキンが小気味よく刻むブラジルのリズムに乗り、ギターソロ、間奏、そしてピアノソロと展開していきます。このCD表紙で描かれた水彩画のように繊細で、雨上がりのアンニュイな雰囲気をお楽しみください。

3. In My Life (John Lennon/Paul McCartney)

アーノルド・マッカラーとわたしのボーカル・デュエットにより、ビートルズのヒット曲のナンバーをお届けします。原曲をジャズバラード風にしっとりとアレンジしてみました。

4. Windows (Chick Corea)

チックコリアを代表するこの3拍子の美しい曲を、ソプラノサックス(ボブ・シェパード)をフィーチャーし、クワルテットにアレンジしました。ボブの演奏スタイルは非常に個性的で、ボブに吹いてもらうと、とたんに曲に特徴が出て、とても個性のある曲になります。ダレック・オールによるベースとピアノのオスティナートで始まる前奏が、間奏ではさらにドラマチックにパワーアップして展開していきます。

5. Aqui O (Toninho Horta)

原曲ではトニーニョ・ホタがギターの弾き語りで歌っていますが、わたしはクインテットで音に厚みを持たせてアレンジして歌ってみました。アンギュラーなメロディーが魅力的で、私の大好きなブラジルナンバーの一つです。

6. Inutil Paisagem (Antonio Carlos Jobim)

アントニオ・カルロス・ジョビンのオリジナル曲でよく演奏される曲です。原曲に忠実に、シンプルにアンニュイなムードでアレンジしポルトガル語で歌いました。

7. So, But, Anyway (Hiroe Sekine)

ジミー・ジョンソンのエレクトリック・ベースの力強く、カッコいいソロから始まります。わたしはピアノからキーボードに変え、前曲のアンニュイなムードが一転します。題名を日本語に訳すと、“つまり、だから、でも、ともかく”といった感じでしょうか。このメロディーと曲調は実際に夢に出てきたもので、足りない部分は後で補いました。

8. Spoon Key (Hiroe Sekine)

アップテンポなブルースです。曲名は英語の“Spooky”を“Spoon Key”と聞き違えことから来ています。このように日常に実際に起こったことなどを書き綴っておくと曲の題名を考えるときに役に立ちます。テンポが速いのでメンバー紹介もかねて、ピーター・アースキン、ラリー・クーンス、ボブ・シェパード、ダレック・オール、そしてわたしの全員をソロでフィーチャーしました。

9. Evidence (Thelonious Monk)

セロニアス・モンクを代表するこの曲をエレクトリックなサウンドで、フュージョン風にアレンジして、ギターのラリー・クーンスをフィーチャーしました。エンディングではリズムセクションにラリーのエレクトリック・ギターソロがからまって、ハードロックのようにヒートアップします。

 

 

 

プロデューサーより

このレコーディングに参加出来たことをHiroeに感謝します。プロデューサーとしての私の仕事は卓越した音楽の才能を持ち、いつも快活な性格の持ち主、Hiroeの音楽的ビジョンを形にすることで、光栄で嬉しく思いました。仕事は簡単でした!なぜなら彼女の書いた新しいオリジナル曲は4曲とも魅力的だったし、アメリカとブラジルのスタンダード曲5曲も創意に富んで器用に編曲されていたからです。ロサンジェルス界隈で尊敬され高く評価されているミュージシャンとコラボレーションしたHiroeは、たった2日で全曲のレコーディングを終えました。

Hiroeの最初のアルバム、“a-me”では彼女の作曲、アレンジ力、そしてピアノの演奏をフィーチャーしましたが、このアルバムでは多才なHiroeの持つ、また違った面を打ち出しています。例えば、彼女の美しい声でポルトガル語、英語、そして言葉のない「ボーカリーズ」で歌った5曲を収録しています。また、奇想天外な編曲によるモンクのEvidence,そして彼女の作曲であるSo,But,Anywayではエレクトリックピアノで演奏しています。このアルバムに収録された全曲は、思慮深くかつ美しく表現され、Hiroeのアーティストとして冒険的な面も垣間見ることができます。

Hiroeがこうしてバンドリーダーとして、レコーディングアーティストとして成長していく姿を見ていると勇気づけられます。私がUSCの学生だったHiroeに会ったのは2、3年前でした。彼女がちょうどソロジャズアーティストになるべく、奮闘し始めた時だったのです。それはとてもじゃないけど、楽なことではありません!しかし彼女の音楽への献身と、この2枚目アルバムリリースにたどり着くまでの長い道のりに伴った彼女の努力を僕は誇りに思うのです。“After The Rainfall” はHiroeのこれからも続くであろう音楽の旅の途中に拡がった、美しい眺めなのです。

ラッセル・フェランテ



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